ピロリ菌の検査や治療、除去方法について

「胃潰瘍の経験者」がその原因と言われる「ピロリ菌」の検査や除去について経験談を語ります
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ピロリ菌とは

細菌

ピロリ菌は、細菌です。胃の内部の粘膜に生息している細菌です。

胃酸に強い

胃の内部は、強い胃酸に守られていて細菌は存在しないといわれていました。しかし、そんな環境にも適応することができるのがピロリ菌です。

ピロリ菌は特別な酵素を持っていて、それによって体の周りをアルカリ性にすることができます。それにより酸性をアルカリ性で中和し身を守っています。

感染する原因について

経口感染

あまり分かってはいませんが、口を介した感染が大部分だといわれています。

衛生環境

昔、上下水道が十分普及していなかった世代の人の感染率が高い事がわかっています。逆に、上下水道が完備されてきたころに生まれた若い世代にはピロリ菌の感染はほとんどありません。

ピロリ菌と病気

胃炎

初期の段階として胃に炎症が起きる「胃炎」にかかります。この段階ではあまり症状が出ることはありませんので、無症状のまま病気が進行していきます。

ペリコバクターピロリ感染胃炎

ピロリ菌が胃に生息していることよって胃炎が続いて行くと、感染部位がひろがっていき「ヘリコバクターピロリ感染胃炎」となります。

委縮性胃炎

さらに胃炎が長く続き慢性胃炎となっていくと、「委縮性胃炎」へ。胃酸がなどを分泌する組織が消失した状態となります。

胃がん

委縮性胃炎がさらに進行すると、胃の粘膜は腸の粘膜のようになります。一部の方では胃がんへと進行していくといわれています。

病気の進行を見ていくと、胃炎→ヘリコバクターピロリ感染胃炎→委縮性胃炎→胃がんと連続しています。連続を断ち切るためには、ピロリ菌の除菌はもちろん、胃炎を長く続かせない事が大事になってきます。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍

胃潰瘍や十二指腸潰瘍を患う方の約90%がピロリ菌に感染している事が分かっています。発症や再発を防止するには、ピロリ菌を除去する必要があります。

ピロリ菌の検査

内視鏡を使って検査

内視鏡を使って検査をします。これらの検査では、胃の組織を採取して、顕微鏡で見たりピロリ菌を培養したりします。
ただ、採取した組織にピロリ菌がたまたまいなかったりすることがあるのであまり正確な検査ではないようです。

抗体検査

血液や尿を採取して検査します。

ピロリ菌の血液検査


ピロリ菌が生息していたら数値が表示されます。0~10が標準値。

尿素呼気試験

検査用の薬を飲んで、一定時間経過後に吐き出された息を調べて検査します。

便中抗原測定

便を採取してピロリ菌抗原があるかどうかを調べます。

お奨め検査方法

内視鏡を使わない、抗体検査か尿素呼気試験が手軽でお奨めです。これらの検査だと、思い立った時に病院に行って検査を受けるだけですみます。ただし、尿素呼気試験の場合は、朝ご飯を食べてから4時間経過が必要なのでご飯抜きで病院に行きましょう。

これらの検査は、診療所では行なっていないかもしれません。少し大きな総合病院に行ったほうがいいかもしれません。

ピロリ菌の除去、除菌

ピロリ菌を退治

胃の中からピロリ菌を追い出すには、除菌治療が必要です。それ以外に方法はありません。

除菌の効果

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者の方でピロリ菌の除去を行うと、治療をしなかった人と比べるてみると、効果が高い事が証明されています。

除菌しなかった人の一年間の再発割合は、胃潰瘍で約65%、十二指腸潰瘍で約85%。一方、治療した方の場合は、胃潰瘍で約11%、十二指腸潰瘍で約7%。圧倒的な効果が見られます。

ピロリ菌の除菌治療

投薬治療

三種類の薬を同時に朝晩飲みます。それを7日間続けます。治療中はアルコール摂取は控えます。

ピロリ菌除菌の薬

除菌効果の測定

投薬治療が終わってから4週間後に検査を受けてピロリ菌がいなくなったかどうかを検査します。除去が成功していればこれで終了。まだ生息していれば再び治療。
除菌確率は、1回目で約75%、2回目で約85%。1回目と2回目を合わせた除菌率は約95%です。

除菌効果の副作用

いくつかの副作用が報告されているようです。
軟便や下痢。味覚障害。肝臓の数値。アレルギー反応。などです。特に深刻な副作用ではありません。

ただし、ひどい症状が現れた場合は薬の服用を中止して病院に連絡しましょう。
便に血がまざったり発熱や腹痛をともなう、発疹やかゆみが出る、ひどい味覚障害などなど

ピロリ菌の検査の経験談

ピロリ菌検査の結果

血液検査の結果、ピロリ菌が居ることが判明。普段の血液検査と同じ感じで血を抜いて、ほどなくして検査結果が判明。二種類の除菌薬を処方される。

4週間後に再び検査をして除菌が成功しているかどうかをみるわけだが、なんだかんだと病院に行けなくて、1年後に病院へ。検査を予約を入れると、「朝ご飯抜きで来てください」とのこと。
今回は、血液検査でなく「尿素呼気試験」。吐く息に含まれている成分を検出してピロリ菌がいるかどうかをみる。
息を思い切り吸って10秒たってから袋に吐き出す。薬を飲んで横向きで30分休んだ後、さきほどと同じように、息を吸って、、、。この検査結果も、すぐに分かった。
結果は、「除菌が成功」。まじでやりました。失敗してたらどうしようかと思いましたが、助かりました。

もし、二回目の除菌をすることになると、除菌薬は3種類が処方されます。その中に、赤痢の際に処方される薬が入ってきます。数年前に赤痢に罹ったことがあるので、薬が効かない可能性がありました。
また、最近の研究でピロリ菌が各種のガンの罹患に関係している事が判明しました。そんな厄介者のピロリ菌とおさらば出来て本当にハッピーです。
ただし、ピロリ菌はそこらじゅうに生息しています。なので、いつどこで宿主となるかわかりません。節目節目で検査をしておこうと思います。

ピロリ菌を除去してから約2年

相変わらず飲酒による胃へのダメージはあります。ただ、胃潰瘍になりそうな気配はまるでなし。少々の不摂生でもまったく問題なし。
今までだったら、飲酒量が増えてくると大なり小なり胃潰瘍になってましたが、まったく問題なし。やはり、ピロリ菌に原因があったのは間違いありません。
まだ除菌をしていない方、そもそも検査を受けていない方、除去に迷っている方、除菌をお勧めします。本当に今までの症状が嘘のように解消されるかもしれませんよ。

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